根暗な音楽オタクが選ぶ:おススメアルバム6選
はじめに
2020年現在、新型コロナウイルスの流行やBLMなど、いろいろ人類が試されている感じがしますよね。
自分は特に前者の影響を受ける職種なので、今年一杯こんな感じだったら本当に失業するゆえ呑気に音楽とか聴いている場合ではないのですが。
ライブ配信なんかもあるけど無観客も味気なく、やっぱり生で観たいなあと毎日しょんぼりしています。
んでもって暇なので、自分が最近聴いているアルバムを少しまとめてみました。
根暗とオタクのハーフアンドハーフなので、語り口がキモいかもしれませんが許してください(そんなことを宣言するな)。
- 1. Youth Lagoon / The Year Oh Hibernation
- 2. Hania Rani / Esja
- 3. Tennyson / Telescope
- 4. Nick Murphy / Run Fast Sleep Naked
- 5. LORN / Drown the Traitor Within
- 6. サニーデイ・サービス / いいね!
- おわりに
1. Youth Lagoon / The Year Oh Hibernation
Youth Lagoonはアメリカの音楽家です。(本名はトレヴァー・パワーズ)
The Year Oh Hibernationは彼のデビューアルバムで、「17」はその中からの一曲。
優しくノスタルジックなエレクトリック・ピアノの音が耳に染みます。
このアルバムは本人曰く「自分にしか分からない極度の不安を曲にした」作品だそうで、胸を締めつけるくらい繊細で温かみのあるベッドルーム・ポップの名盤です。
この記事を書くために調べなおしていて知ったのですが、現在は活動休止中らしい(なんと)。
私個人このアルバムがすごく好きで、言語を超えたシンパシーを感じていたのでちょっと心配になります……。コロナ禍のなか、トレヴァーは元気で暮らしているんでしょうか。
どうでもいいけど、このジャケットも本当に素晴らしいですよね。
「ノスタルジック」のすべてが詰まってる感じがする。
2. Hania Rani / Esja
Esja (エーシャ) は彼女のデビューアルバムで、イギリスのスピリチュアルジャズ系レーベルGondwana Recordsからリリースしています。
MAMMHAL HANDSも在籍しているので、ひょっとしたらご存知の方もいるかも。
私はジャズにはめっぽう詳しくなく、とりわけポーリッシュ・ジャズなるジャンルがあるのも初めて知りました(おい)。
私感ですが、このアルバムは「ピアノだけが聴きたいとき」にとても良いアルバムだと思います。
ピアノだけの音楽を聴き求めたらクラシックから現代音楽まで古今東西様々なわけですが、ハニャ・ラニのピアノはとてもリズミカルで美しいんですよね。
誤解を生みそうな言い方ですが、聴いていてまったく退屈しないピアノ。
(探そうと思うと難しいんですよね、"眠くならない"ピアノのみの曲…)
他にもアンビエントダンスっぽい曲もリリースしていたり、MVの予算が最近のものを見る限り結構アップしてたり、なにかと今後注目のアーティストなのではないでしょうか。
3. Tennyson / Telescope
テニスンと読みます。カナダの兄妹ユニットだそうです。
ジャズなどをルーツに、エレクトロニカやフューチャービーツ的な要素も併せ持つ非常に独創的なサウンドが魅力です。
Telescopeはあの超有名レーベルNinja Tune(ニンジャ・チューン) からリリースされたEPです。
まあ、まずこのジャケットですよねぇ。僕すっっっごく好き。
そして曲名よ。カオナシってどう考えてもあのカオナシですよね。
色々気になるところだらけなのですが、そのサウンドも素晴らしい。
ジャズっぽいきっちり綺麗なピアノにLofi hip hopの流れを汲んだビートが乗る…
だけかと思いきや、しっかりダイナミックでアグレッシブな展開が!
これはマジでおすすめ。どハマりする人、多分いっぱいいるよ。
(どうでもいいけど、この曲UNDERTALEのあの曲にちょっと似てるよね。大好き)
4. Nick Murphy / Run Fast Sleep Naked
Nick Murphy (本名:ニコラス・ジェイムス・マーフィー) はChet Fakerとしても知られています。
なかでも2014年にリリースされた「1998」は現在2000万回再生を超え、彼の代表曲のひとつです。
そんなchet fakerは名義を新たにNick Murphyに改め、Nick MurphyとしてのファーストアルバムであるRun Fast Sleep Nakedをリリースしました。
改名した理由について、マーフィーは「20代半ばでたくさん成功したが、それでは満たされなかった」的なことをインタビューで語っています(https://soundazed.com/nick-murphy-talks-new-album-run-fast-sleep-naked-more-interview/)
そのサウンドは前名義までのベッドルームポップやインディR&B的な方向性から変わり、オーケストラを率いた荘厳でスケールの大きいフォーク的ポップに仕上がっています。
(前述のYouth Lagoonとか、Gregory and the Hawk好きな人は絶対好きだと思う)
私はなかでも上記の「Novacaine and Coca Cola」が一番好きです。
ちなみにNovacaineは大麻の代用として使われる局所麻酔薬のことだそうです。
ベッドルームを抜け出して大自然へと飛び出したマーフィーの精神世界を、ちょっと覗いてみませんか?
5. LORN / Drown the Traitor Within
とりあえずこのMVを観て(マジで)。
…
…観てくれました?
ということで、LORN(本名:マルコス・オウテガ)はアメリカで活動するミュージシャンです。
ヒップホップに影響を受けたエクスペリメンタル系のダークなサウンドが特徴のLORNがリリースしたDrown the Traitor Withinからの一曲、そしてミュージックビデオです。
感染症によって荒廃した世界を、自転車で駆けていく一人の少年━━。
と書くと現実の話ですか?となりそうな2020年現在ですが、
なんとこのMV、2019年10月に撮影されたそうです。
制作陣もまさか公開後に本当のパンデミックが起こるとは思っていなかったとのこと。(https://www.promonews.tv/videos/2020/03/25/lorn-timesink-pavel-brenner/63991)
素晴らしいカメラワークに、ラストで意味深に対峙する鹿と少年。
久しぶりにミュージックビデオで感動しました。
また、その設定や画面の構図は有名ドラマ「ストレンジャー・シングス」を彷彿とさせます。
Youtubeのコメント欄には「新シーズンの予告みたい」「ストレンジャーシングス側からオファーが来てOSTに曲を書いてほしい」などのコメントが多数。
私もストレンジャーシングスファンなので、そういう意味でも二重に感動しました。
正直このMVだけ観てくれれば十分なのですが、アルバムの流れで聴く「Timesink」もなかなか良いので是非。
6. サニーデイ・サービス / いいね!
一応邦楽もということで。
言わずと知れた大御所サニーデイ・サービスですが、ここにきてこんなにフレッシュで新人みたいなアルバム出せるんだ……と本当に感動しました。
本作のリードトラック「春の風」ですが、再生した瞬間にまず聞こえてくるのは逆再生。
その後に聞こえてくるのはこんな歌いだし。
今夜でっかい車にぶつかって死んじゃおうかな
あの、良すぎませんか?
僕は完全にノックアウトされました。
DANCE TO YOU以降のサニーデイってめっちゃ進化していってると思うんだけど、あんまり話題にならないのはなんでなんだろう。
DANCE TO YOUでは4536進行を多用した独自のポップを提示し、
Popcorn Balladsではリリース後も曲が追加されたり入れ替わったりするプレイリスト形式を採り(海外のラッパーとかはよくやる形態らしいですね)、
the CITYではキャリア史上としてはあまりに実験的過ぎるサウンドで新たな地平を拓き……
いや、本当にすごい。
今回のいいね!はインディーロックファンにもブッ刺さる名盤だと思います。
一曲目の「心に雲を持つ少年」が本当に良いよ。
おわりに
こんな感じで定期的に記事を書こうかなと思っています。
初記事なので取り上げるアーティストの知名度もまぁそこそこなラインってところで。
よかったらTwitterもよろしくお願いします。
https://twitter.com/kalm20000322